これまで、自然発酵により作られる食品「酵素飲料(植物エキス発酵飲料)」の発酵過程において、どのような菌が関わっているかについての詳細な研究は、世の中で成されていませんでした。
我々は、2014年から東京大学と共同で、当時画期的な技術革新により登場してきた次世代シークエンサーという遺伝子解析機器を用い、酵素発酵液の菌叢の解明にいち早く取り組みました。その結果、発酵後期に登場する優勢菌が、これまで知られていない未知の乳酸菌であることを突き止めました。当初は、未知の乳酸菌が全菌叢の70~80%を占めることから、容易に単離培養※が出来ると考えて分離を試みましたが、予想に反し、純粋培養が出来ませんでした。さまざまな培地成分の検討や培養方法の検討を約2年間行ったものの、なかなか単離に至らない中、発想を転換し通常は行わない液体培地を用いた特殊な単離法により未知の乳酸菌の純粋培養に成功しました。
※特定の菌のみを純粋に培養すること